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カットバックの技術をリップアクションに応用
前回のコラムで「カットバックの3工程」を書きましたが、今回はその技術をリップアクションに応用する方法を解説したいと思います。
一般的にカットバックは波の厚いところでやるもので、リップアクションは波の掘れたところでやるものですが、一概にそうとも言い切れません。
サーフィンを見ればわかるように、フェイスターンやトリミング、カットバック、トップターン、カービング、オフザリップ、コースター、ロールイン、フローターなど、どれもレールを抜いて逆レールへの体重移動が必要なテクニック、という共通点があります。
リップアクションのメジャーなものというとコースターやエアが挙げられますが、リップに対してボトム面を当てに行って、当たった反動で板を上に向けようとしがちです。ただそれだと波の前に飛ぶ力が得られず、リエントリーの際に置いていかれやすくなります。
身体が波を被らずに、波の前に出るコースターなどをするには「当てる」という意識よりも、トップで逆側のレールに切り替えが完了して、そのあとで波のリップに押し出されるように意識を持つことが大事です。
つまりカットバックを際どくやれば、トップターン→オフザリップ→ロールインというように、波の状態によって技が変化していくイメージです。
ボディボードの中でもエアは難易度の高いトリックですが、これも波の掘れた際どい場所で「トップでカットバックをする」イメージでやると、綺麗にテールを抜くことができます。
リップアクションは板の位置の高さを出すことに意識が行きがちですが、トップで逆レールに重心の切り替えが完了して、そこからリップに押されることで波の前に出た方がスープ前への綺麗な着地を可能としてくれます。
また逆レールへの切り替えによってトップでスプレーもあがり見映えするアクションになります。さらにトップからボトムへの勢いがつくことから、次のターンへと繋げやすくなります。
リップアクション時は「トップでカットバック」するイメージを持っておくと、アプローチのタイミングも遅れなくなるので、覚えておくと役に立つと思います。
海上安全指導員・NSA公認指導員
杉澤嘉洋